
鏡を見る、というとナルシシストのようですが、他人から自分がどう見られているかという公的自己意識が高いともいえ、決してうぬぼれ屋とは限りません。
鏡を見るほどに自己修正機能が活発になるといわれています。それだけ自分のコンプレックスと対峙(たいじ)するチャンスが増えるのです。ヘアスタイルやファッション、表情や身のこなしをチェックすることは、より自分を魅力的に見せることにつながります。とあるアメリカの大学で、廊下に大きな鏡を設置し、学生たちの様子を観察する実験が行われました。すると、他人を魅了する人ほどよく鏡を見ている、という結果が出たのです。
体型や顔色、肌の調子など、鏡を見ることで日頃の自分のコンディションの変化に気付けます。また、別の大学の研究によると、仕事中にイライラしたとき、鏡を見ると冷静になれるのだそう。客観的に自分を見ることで、心が安定するのだと考えられています。
鏡を見ることは、自分自身に興味を抱くことに他なりません。鏡は、昔から物語の中で神秘的な力が宿る象徴として描かれてきましたが、現実世界ではありのままの自分を確認し、なりたい自分像へと導くツールでもあります。「自分を変えたい」と思ったとき、まず鏡を見つめてはいかがでしょうか。